携帯の画像

5/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ただチクられたくなくて信頼してるやつにしか見せないだけだ。 僕が信頼してるのは、彼女だけだ。 初めは休み時間の度に、トイレで話しかけてやれば良かった。 しかし、周囲で変な噂が流れ始めた。なんのことだかは聞いた試しがないが、どうやら僕と彼女のことらしい。 きっと、彼女を狙ってるんだ。 そうおもってから、さらに心配に、怖くなった。 授業の一時間近くが心配でたまらない。 机の中に入れた。 ちょこちょこ確認しないと居られない。 見つかった。彼女にみとれてしまっていた。 先生の手が伸びる。 とられる、とられる、とられる、トラレル、トラレル… カノジョヲトラレル 反射的に、懐に手を伸ばし掴む。取り出して突き刺す。 彼女を守るために家からもってきたナイフがやくにたった。 返り血から彼女を守る。 うるさい悲鳴がおきる。 自業自得だ。僕の彼女をとろうとするからだ。 もうこんなところには居られない。こんな危険なところに彼女を連れてきちゃいけなかったんだ。 走って逃げた。 気がつくと寂れたビルの屋上に来ていた。 手を見れば、さっきまで居た彼女がいない。 どこかで落としてきたのか?! 辺りを見回すと、すぐに彼女を見つけた。 空を飛んでいる。そして僕にむかって腕を広げている。 …あぁ、動けるようになっても僕でいいんだ。 安心感とうれしさに包まれる。 彼女にむかって走る。 彼女の腕の中へむかって走る。 そして、フェンスを越え、地面を蹴った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!