241人が本棚に入れています
本棚に追加
あいつは28だと言った。ずいぶん年の離れたカップルだと思った。
36歳のバツイチと、電撃結婚。
そして一気に16歳の子持ち。
変わったヒトだと思った。
でも二人は幸せそうで。やめろとは言えなかった。母さんがまるで恋する少女のようで。
そして僕の日常は壊れた。
いつまでも仕事と恋に生きる母は子供には無関心で。あいつは母に代わり家に入り家事をするようになった。
カリスマモデルを引退。
数々の雑誌、ショーのトップを飾った真那白の突然過ぎる引退は、ワイドショーの格好の餌食だった。
それから、真那白は白いギャルソンエプロンをしてキッチンに立ち、料理に勤しみ、洗濯、掃除、買い物に精を出すようになった。
***********
ソファーから、精に塗れた体を起こす。
体がだるい。
望まない快楽は苦痛にしかならない。
脱がされたシャツを拾い羽織りながら、シャワーを浴びに浴室へ向かう。
キッチンから、夕食になるだろうパスタの香りが漂っていた。
最初のコメントを投稿しよう!