罪と罰

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冷たい… 散り行く木の葉を見ている。 ひらひら、舞い堕ちる、紅… いつまで、そうしていたのか。 長い黒髪を散らせ、男は墓前の前に横たわっていた。 十字架の前に、力無く崩れ落ちた美しい男。 深紅の花びらが舞う。 真那白… 「何、してるの?」 僕は呆れたようにつぶやく。 真那白は起きずに口を開いた。 「梓さんの墓参り」 いや、そうじゃなく。 「なんで寝てんの」 「…さあ、なんでだろ」 くすくす… 真那白は笑った。苦笑とも諦めともつかぬ笑み…。 もう夜のとばりが下りる。男の体はきっと冷え切っているだろう。 何故、この冷気に身を委ねているのか。 「そこどいてよ。花を置けない」 僕が持って来たのは白百合の花束。 「…ねぇ闇紫。俺が、憎い?」 ぽつり。真那白がつぶやいた。 「…殺したい?」 「…何が言いたいの真那白」 あんたがわかんない。 「…、ここに、来るとね…神も、信じてない俺が、悲しみを感じるんだ。死んでも、楽園に入れない俺は…、永遠に会えない」 あの、人に。 どうやって、償えば。 男が、涙を流した。 僕を散々玩び凌辱した、男。 でも…。 その行為の中に、肉欲以外の何かを今は感じている。 「真那白…?」 「…あん、し…。俺を」 殺して…? 男は心を病んでいる。 虚ろな瞳は、澱んだ闇の色。 「何言ってんだよ…?真那白?」 「俺は、ひとをころしてるんだ…」 *********** 天空の怒り 非創造の禁忌の愛 黒い翼 永久の苦しみ 鎖に繋がれし四肢 魂の牢獄 「あいしてる」 お願い、赦して ハインは泣き続けています。 闇の深淵で永久に。 神さま、神さま 彼を赦してください…
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