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お願い、誰か。
嘘だと言ってくれ…
「う、そだ」
梓さんと、闇紫が…?
だって、実の親子だろう?ハッとした。
…世間に望まれなくても…
梓の、言葉が頭にリフレインする。
…望まれない、子供?
それは…
「実の息子の、子供だから…?」
体が、震えた。信じられない…!!
俺は起き上がり、闇紫の胸倉を掴んだ。
「なんでそんなこと…っ」
母親と寝たのか?なんて悍ましい!
「…は、あんたも、所詮そういう奴かよ」
どう違うんだよ。
闇紫が吐き捨てる。
「男同士とヤるのと。どっちもタブーなのは変わらない。てめぇに僕を罵れるのか?」
人殺しのくせに。
傷をえぐられる。血が吹き出す。
「…僕は母さんを愛してた。例え神でも、僕を否定はさせない」
強い瞳。闇紫の目は、ゆるぎない光が宿っていた。
掴む手を、振りほどく。
「あんたは僕を綺麗だと言ったな。勝手に人を聖人みてぇに言いやがって…」
僕の秘密を目にした途端、糾弾する。
「どうだよ真那白。自分のやって来たこと棚に上げて、僕を蔑むか?!」
突き付けられる、言葉の刃。
ああ…!梓!!
「……。俺…は…」
足元がふらつく。ぐるぐると世界が回る…。
吐き気がする。
痛い…疵が…痛い…
何に縋ればいい?
すべてに裏切られたような感覚に堕ちる。
何が正しい?俺は…
「闇紫…。愛があれば…」
何をしてもいいの?
***********
かあさん、なにをするの?
あんしがおとなになれることよ。
おとな?
そう…
あいしるわ、あんし
かあさん…?
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