罪と罰

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神は、何のために… 俺を、作った…? *********** キラキラ輝く、星。夜の闇に紛れる、俺の影…。 街の中、様々な人が流れる。誰もが何も見ていない。どこか足早に通り過ぎる。暖かい巣穴へ帰るんだ… どこをどう、歩いたのか解らない。いつのまにか、ここにいた。 雑多なビルの群れの片隅。ゆらゆらと燻らす、タバコの煙を見つめていた。あの人と同じ、香り… 俺は、闇紫をまだ愛している。…まだ、消えない…。この胸の、浅ましい思いは。 けれど…。 …生まれていれば、あの子は、どんな子供に育っていただろうか。闇紫の、子供…。 生まれてはいけない、禁忌の子供…。 けれど、あの子には何の罪もない。何故死ななければならなかったのか…。 神は残酷だ。死んでもいい人間が、こうして生きている… ぽつぽつ…ザーッ 雨が降り始めた。少しずつ、服に染み込んで、冷たく重くなっていく。 暗く澱む空。冷たい雫が降り注ぐ街。 罪も痛みも、包みこんで… このまま、目を閉じて息を止めて。 …眠らせてくれ。懺悔を繰り返すのも、縋り付くのも、もう疲れた。 鎮まることを知らない街のざわめき。ここでなら、きっと淋しくない… *********** あんし、あいしてる。 こうしてきみのぬくもりをかんじているときだけ、おれはゆるされているかんじがしたよ。 おれはどうしようもないひとごろしで、さいていなにんげんだけれど、それでもあずささんもこどももあいしていたんだ。まもれるとおもったんだよ。 でもおれなんかがしあわせをのぞんでしまったから、ふたりはしんでしまったんだね。 もうじぶんのしあわせなんかのぞまないから。あいなんかほしがらないから。だから…きみの、しあわせだけを、いのってる。 おれなんかわすれて、ふつうにいきていって。 うらんでもにくんでもいいけれど。でも、これだけはしんじつ。 …あいしてる。きっと、えいえんに。
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