サディスト訪問

14/15
前へ
/26ページ
次へ
「大丈夫よ、あなたほどの煩悩じゃ整理するのは無理でしょ?だから考えなくてもいいようにしてあげるの」 「お前は人を殺す前に相手を罵倒してから殺すのか?」 「いいえ、いつもは何も言わずに相手を殺すから今回みたいのは初めてね」 彼女は表情をひとつも変えずにそう言った しかし、彼女のその顔には、何か悲壮な表情が一瞬みえたようだった 「それじゃあ、話すのもこれくらいにしないといけないわね、時間も無いこ、と………」 そう言うと彼女は黙りこんだ 「ねえ、わたしが昨日来てから今までどれくらいたった?」 「え、君が結構長く寝てたから……一日はたったと思うよ?」 僕がそう言うと、彼女の顔が一気に青ざめていった 「なんてこと、わたしはもう大天使界に帰ることができなくなったわ」 「どういうことだ、つまり元の世界に帰れなくなったのか?」 「……そうよ、わたしたちの大天使界ではルールがあって、そのルールのなかに天使が使命をはたすための時間は24時間と決まっているの、もし、このルールに違反するようなことがあったら、大天使界に帰ることができなくなるのよ」 なるほど、ここらへんなら理解できたぞ 「じゃあ、そのルールに違反したってことは、もう君が受けた使命もはたさなくて良くなったんだよね?」 「………そういうことになるわね」 良かった、これで命は助かったみたいだ でも…… 「君は帰れなくなったんだよね?これからどうするの」 「…………。」 黙られても困るんだけど 「……しょうがないわね、もうこれしかないわ。」 「なんか思い付いた?」 「ええ、決めたわ、わたしここに住ませてもらうわ」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加