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「大丈夫よ、あなたほどの煩悩じゃ整理するのは無理でしょ?だから考えなくてもいいようにしてあげるの」
「お前は人を殺す前に相手を罵倒してから殺すのか?」
「いいえ、いつもは何も言わずに相手を殺すから今回みたいのは初めてね」
彼女は表情をひとつも変えずにそう言った
しかし、彼女のその顔には、何か悲壮な表情が一瞬みえたようだった
「それじゃあ、話すのもこれくらいにしないといけないわね、時間も無いこ、と………」
そう言うと彼女は黙りこんだ
「ねえ、わたしが昨日来てから今までどれくらいたった?」
「え、君が結構長く寝てたから……一日はたったと思うよ?」
僕がそう言うと、彼女の顔が一気に青ざめていった
「なんてこと、わたしはもう大天使界に帰ることができなくなったわ」
「どういうことだ、つまり元の世界に帰れなくなったのか?」
「……そうよ、わたしたちの大天使界ではルールがあって、そのルールのなかに天使が使命をはたすための時間は24時間と決まっているの、もし、このルールに違反するようなことがあったら、大天使界に帰ることができなくなるのよ」
なるほど、ここらへんなら理解できたぞ
「じゃあ、そのルールに違反したってことは、もう君が受けた使命もはたさなくて良くなったんだよね?」
「………そういうことになるわね」
良かった、これで命は助かったみたいだ
でも……
「君は帰れなくなったんだよね?これからどうするの」
「…………。」
黙られても困るんだけど
「……しょうがないわね、もうこれしかないわ。」
「なんか思い付いた?」
「ええ、決めたわ、わたしここに住ませてもらうわ」
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