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よく考えてみればわかったのだ
普通、シュールさんの地元では8月に怪禁令が出され、それまではあけはしないのだそうだ
今は1月
発酵食品であるシュールさんは、まだ充分に発酵しておらず、力不足の状態だったようだ
何気に期待していただけ、軽い失望感はあったが(雨合羽は1000円しましたが一滴もかからず…)これは噴き出すから凄いのではなくて臭いが凄いのだと思い直し
缶切りで全体を切り開いた
海から私たち目掛けてふく風は、かなり強く
洋服や紙皿等は重石をしていないと簡単に宙に巻き上げられ海のもずく…いや藻屑となるだろうと言えるほどだった
勿論、シュールさんの臭気もその風に勢いよく乗り、風上に居ればちっともその臭いを感じなかった
汁が飛び出さないのを確認したギャラリーは風下に回って鼻をヒクヒク動かしていた…
「くっせ!」
大袈裟に仰け反るギャラリーの男性、鼻を押さえて風上に戻る女性
そうか?
一番近くにいるはずの私は半信半疑
近くで見ると色は灰色、中には生の魚の開きのピンクの色が目立つ
おもむろに鼻を近付けた
形容し難いのだが
「公衆便所」
「体臭」
「ドブ」
く
臭い!
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