プロローグ ~銀世界~

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無駄な感情を一切持ち合わせず、ただ自分に与えられた使命を果たす。 それがわたしの存在意義であり、わたしが ゙創造゙ された所以である。 だから使命に関係ないことを求める必要性は皆無であり、思考する意味もない。 ないはずであった。 あの人が……。 あの人と出会ってから、自分の根底から覆す事象が起こる。 雪景色。 自分を表すのならこの言葉が適当である。 方向が定まらなくなるほど雪一色の世界。 しかしあの人がこの世界を変えた。 あの人と出会ってからほんの僅かだが、自分の中の何かが溶け始めている。 そんな気がしたのだ。 そして根拠のない、ほぼ勘に等しいものは決して間違いなどではなく。 いつしかわたしの胸をきつく締め付けた。  
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