とんとんバス第1駅~父親~

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バスに揺られながら娘の事で悩んでいたら、仕事の悩みまで湧き出てしまった。 私の仕事は『通訳』と言うもので、海外からの著名人や、来日者を相手にするのがほとんどの地味な仕事だ。 しかしこんな地味な仕事も楽ではないのだ。 ほぼ付きっきりでなくてはならないし、来日者が日本で起こした問題の責任だって私が取らなくてはならない。 今回の仕事内容にしたってほとんど子守りのようなものだ。 取引先のアメリカ人社長と、私が雇われた会社との間で何やら契約を結ぶらしく、通訳をするためだけになぜか私が選ばれた。 私以外にも通訳なんて出来る人はたくさん居るだろうに。 しかしそんな事は問題ではなく、契約は滞りなく終了した。 しかし予定より早く契約が成り立ってしまったので、アメリカ人社長が来日する際に連れてきたという娘に日本を案内してほしいと頼まれたのだ。  この手の話は少なくはなかったから嫌ではなかったんだが、私の役職って何なのだろうと思うようになった。 しかも事もあろうかその社長の娘も思春期まっただ中の年齢で、あれやこれやと注文ばかり。 こんな悩みは実の娘だけにしてもらいたい。
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