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『媛歌。』
ビクッ…
「ごめんっ」
バタバタ、バタバタ
逃げてしまった。
奏瀬くんから
逃げてしまった。
うー…
どうしよう…
奏瀬くん怒ってた。
怒ってた怒ってた。
「奏瀬くん…」
『奏瀬がなんだって?』
っ??
「ほぇ…?
あ、あなたは誰ですか?」
知らない人…
金髪に、ピアス…
あ、危ない人なのかな?
『オレは悠弥。
てめー奏瀬の女?』
ひぃ…っ
こ、怖い。
そんなに睨まないでぇ…
………………………………………………………………………………………………………ッて…私…奏瀬くんの彼女に間違われてる?
「か、彼女ではないです…」
『ふーん…お前なかなか良い顔してんじゃねえかよ。』
か、顔が近付いてくる…
なに?
なになに?
チュッ―――…
気がつけば
私の唇は、
悠弥と言う謎の男の人に
奪われていた。
「っ…なにするの…」
汚い汚い汚い。
気持ち悪い…
『おー良い反応。』
やだ、やだやだ
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだッッ
『オレがお前を汚してやるよ。』
私の服は
無理矢理脱がされた。
「や、だ‥奏瀬くん…ッッ」
ずっと翼が欲しかった。
いつでも
逃げていけるように…
ガッ…
ズサ―ッッ
『媛歌っ』
奏瀬くんだ…
「…っ……」
奏瀬くん
奏瀬くん奏瀬くんっ
凄く怖かったの。
凄く凄く…
『もう大丈夫だ…』
ギュウ~…
怖かった。
凄く怖かったの。
君が来てくれなかったら
私きっと…壊れてた。
安心するの。
君の体温が私の心に
染みていくみたい。
『死ねぇッ奏瀬!!』
ドゴッ…
そのまま私たちは
眠ってしまった。
もしもあの時
抱き合っていなかったら
また別の未来があったかもしれないのに
*
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