粉雪

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粉雪

はらはら、 白い悪魔が 音もなく降り注ぐ ゆっくりと、 しかし確実に 街を包み込んで 白く染めて行く 私の麻痺した四肢に 堕ちた雪が 触れては消えて 甘やかな沈黙は やがてこの鼓動をも 止めてしまうに違いない それはゆるゆると 眠りに堕ちるように まぶたを閉じ 埋もれて逝く 罪も懺悔も後悔も、 今は忘れ この白き沈黙に 身を委ね ああ、雪が 白く、白く… 何も聴こえない 何も見えない 眠れ科人 音が止まりし 沈黙の庭で
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