帰り道

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帰り道

いつのまにかオレンジ色の夕日 風が帰れと鳴いている 烏が追い立てられて 空が朱く染められる 星は闇を切り裂いて 月が早々と横切って チェシャ猫みたいな細い光 にやけた笑いが聞けそうだ 帰れ、帰れ 暖かな巣へ 闇が自身を飲み込む前に 現実に打ちのめされぬうちに 哀しい足音が聴こえぬうちに 振り向くな、月が見ている…
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