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永倉さんも左之さんもそうだけど、誰も私と土方さんのことを聞いてはこない。
でも、どういう状態なのかは皆わかっていると思う。
「出来ることなら変わってやりてぇけどなあ。副長って立場だから、俺達には無理なんだよな」
「やはりきついのだ。山南さんのような人がいたらよいのだが‥」
今の新選組は、前にくらべてかなり人数が減っている。
戦によって死んでいった人、逃げてしまった人。
かつて京で名を轟かせていた新選組は、段々と力が弱まっていた。
江戸で隊士を募集すると言っていた。
近藤さんや土方さん達の故郷であれば、多少集まる。
だけど、その中で一体何人の人が刀や銃を扱えるのかな。
「とりあえず誠。仕事がないなら、今は寝とくといい」
「‥‥うん、わかった!ありがとう2人とも」
やっぱり寝ておくのが一番なんだよね。
私は2人にお礼を言い、自分の部屋に戻ることにした。
近藤さんはある程度、休んでいる。
理由は、土方さんが近藤さんにこう言うからだ。
「隊士の士気を上げるためにも、あんたはしっかり休んでいつも元気でいてくれ」と。
代わりに、土方さんは寝ていなければ、ご飯も皆と食べなくなった。
多分、まともに食べてない。
「‥‥そっか、ご飯だ!」
せめておにぎりとか作って、道中食べてもらったらいいんだ。
少し寝てから、台所を借りて何か作ろう。
そう決めた私は、布団を敷いてすぐに寝るようにした。
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