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こんな悪循環の中、気のコントロールは忘れない。客席へのマナーである。その代わり、女奏者の自由は確立されたまま時間だけが刻々と過ぎていった。 遂に終盤にさしかかる。依然として状況に変化は無い。もし国会の衆議院予算委員会なら、各理事の方々が委員長に抗議でも申し込みに立ち上がるかも知れない。何れにしても、下手をすればスキャンダルにでも発展しかねない。放送市場の場合は最早、放送事故にもなり得て仕舞う。 曲が終わり、指揮者によるメンバー紹介に拍手喝采が立ち昇る。確かに曲自体は佳かった。実に有意義だった。実は抑抑考えた結果、青年は少しく愉快になって居た。口もとが緩みきって、にやけて居た。そして、電車で帰る間中に反芻しながら想った。今度はドヴォルザークにしようかと…。
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