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彼は、国を憂い、悩みながら立っていた。
どんっ!
どうやら、気性の荒そうな奴に当たってしまったらしい。 彼はそう思った。
その相手は、酒を飲んでいるようだ。
「失礼、私が前を向いていなかったもので。」
玄徳はそう謝ったが若干納得していなかった。
何故なら相手からぶつかってきたからである。
しかし、相手も玄徳と同じ感情だったらしく、
「おぅおぅ、どういう事でぇ!えぇ?俺にぶつかっておいて何だその態度は?大体、何でこんなとこ立ってだよ?」
玄徳「実は私は憂国の士でして、王朝の為に黄巾を討伐したいと思っているのですが、私は力不足。どうする事もできず、ただただ立っていたのです。」
相手の大男は玄徳の話を聴く内に怒りや酔いを忘れていた。
「あんたも国を憂いてんのかい?俺と同じだな!俺の名は張飛!字は翼徳ってんだ!」
玄徳「私は劉備玄徳と申します。こうしてあなたと偶然出会ったのも何かの縁のようです。どこかで時世を語りませぬか?」
大男である張飛は愉快そうに、
「勿論だ!それなら俺の知り合いが店やってんだよ。玄徳さんとやらいこうぜ!」と言い、二人は酒屋に向かった。
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