お父さんありがとう

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狭い部屋にあるテーブルの上には、離婚届が置かれている。 二歳の娘の杏里は状況がわかってないみたいで、キョトンとした顔をしている。 杏里は髪がちょっと茶色くて、大きな目で睫毛が長く、自分の娘ながら、なんてかわいいんだろうと思ってしまう。 そんな杏里を美紅は抱きしめ、 「私達パパに捨てられちゃったんだよ。どうしよう?!」 と言った。 美紅の実家にも勘当されていて頼れない。 頼れるような友達もいない。 剛の両親は、剛が中学の時に離婚していて、それぞれ新しい家庭があり、今は付き合いはない。
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