中島聡

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入学式から始まって1ヶ月もたてば、それぞれグループが出来始めて友達も増える。 その輪から明らかに弾かれた聡はその日も出席日数のためだけに登校していた。 …授業もかったりぃし、だいたい義務教育だから何もしなくても卒業できんだろ?でもなぁー家にいても暇だしなー…あーあ、俺って友達いねえーなー……。 校舎の影の自分だけの気に入りの非常階段の踊場で、その日も1人煙草をくゆらしていた聡は何げに空を眺めていた。 「…っだらあ?!」 「…ってん…ね…!」 ふいに頭の上から罵声が聞こえ、頭上を見上げる間もなくソレは落ちてきた。 ドガ!! 「~ッッッ?!」 ソレの衝撃で非常階段の鉄パイプ部分に頭をぶつけ、目の前にチカチカと輝く星に顔を歪めて、その原因となったものを確認すると。 「…っいっでぇええ~ッッッ!!!」 …人間だった。 「でめぇらぁあッッッ!人を階段から突き落とすなんてなぁ!喧嘩にもルールっつうもんがあんだろがぁああ!!」
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