甘いだけじゃ

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…ルルルル 「チャンミン、起きてた?」 「はい、本読んでました」 「そっか」 最近は、顔を合わすこともできない日々か続いている。 毎晩かかってくるこの電話だけが、いまの僕の唯一の楽しみだ。 他愛ない話ばかりだけど、心が随分楽になる。 「ユノヒョンも、元気にしてる?」 「はい、今日は友達の家に泊まるみたいです」 ユノヒョンは、ジェジュンヒョンと会えなくなってから、彼の友達と会うことが多くなった。 僕の前では、兄さんらしく僕を元気付けようと振る舞ってくれているけど… 分かってます。 きっと、ユノヒョンも寂しいんですよね…。 「そっか、じゃあ今チャンミン一人なんだ」 「はい、そうです」 「じゃあさ… 今から、会えない?」 「もう、夜中ですよ?」 「迎えにいくからさ、ダメ?」 「また、今度にしましょう。今日はもう疲れました」 …なんて嘘。 ユチョンに会って今の弱い自分を見られるのが怖い。 今ユチョンに見たら、きっと、きっと求めてしまう。 「そっか…、わかった。 …なあチャンミン」 「…なんですか?」 ユチョンの真面目な口調に少し緊張する。 「…俺のこと、好き?」 突然の質問に息が詰まる。 「いきなり… どうしたんですか」  
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