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あー
なんで、僕はこの平成に生まれたんだろ
戦国時代に生まれてれば政宗様に会えたのに
政宗様に会いたいよ……
空を見ながらそんな事を思ってみるがそれはどう願っても叶わないと知ってる
だからこそ願う
言葉には力があるって何かの小説に書いてあった
言葉を紡げば実際に起こる事もある
だから、叶わないとは言わない言わせない
この世に絶対は無いのだから
どうか……
どうか普段信じない神様
政宗様に会いたい
そして言いたかったこと、やりたかったことを政宗様にするんだ
だから会いたい
空を見たまま小さな声で願いを紡ぐ
希
『神、僕を奥州筆頭伊達政宗様に会わせろ』
あれ?命令形になっちゃった
いっか
拓実
「じゃ、これまで授業は終わりだ。挨拶」
いつの間にか終わったらしい
学級委員の号令で挨拶をして皆騒ぎだす
?
「ちょっと、希!」
希
『ん?』
僕に声かけてきたのは、友達の大場佳耶(オオバ カヤ)
肩程の茶混じりの黒い髪に大きな目
女の僕から見ても惚れる女の子
佳耶
「今日は夜中まで何読んでたの?」
希
『んっとね……
伊達政宗の一生
伊達政宗が良く分かる!
伊達政宗を歩こう
伊達政宗はこんな人だった
伊達政宗の歴史
伊達政宗の――』
佳耶
「あー、はいはい。もういいですよ」
まだまだあるっていうのにさぁ
この本が授業中寝てる理由の一つにもなるかな
ついつい熱中しちゃて、気が付いたら夜明けちゃってることが毎日続いてる
佳耶
「よく倒れないよね。そんな生活してて」
希
『うん。慣れたから』
佳耶
「え?慣れたとかあり?」
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