2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
入学式から早くも3ヶ月が経過し、数人の新しい友達と楽しく過ごす学校生活に対し、成績という一部を除けばだいぶ安定してきたと思えるようになってきた。
もうすぐ、期末テストと呼ばれる夏休み前最後の関門が訪れるため、最近は創を含めた友人達が勉強に勤しんでいる。何もこんな一年生の初っ端から頑張らなくてもいいのでは、と思う部分もあるがそれは俺自身が勉強を嫌い、実行していないせいもあるのだろう。
ともあれ、みんなが勉強勉強で付き合いが悪いので、俺は最近一人で帰ることが多くなった。まぁ試験が終わるまでの辛抱さ、と今は一人の時間を楽しむ事とする。
『それにしても、暇だなぁ。』
一人呟き、する事もないので公園に向かうことにした。
公園ではキャイキャイウルサいガキんちょ達や犬の散歩に来ているおばちゃんやらが所々に見受けられた。つくづく平和な町だと思う。だがそれ故に微妙につまらない町でもある。
『最近暑くなってきたなぁ』
と言っても今日は割と涼しい方なのだ。半袖でいれば別に厳しい暑さでも何でもない。そのせいか、ベンチに腰掛けていた俺に突如として睡魔が襲いかかってきた。
まぁ刃向かう必要もないので俺は大人しくそいつに従ってまどろんでいった。
―――
いったいどれほど寝ていたのだろうか。目が覚めるとあたりは暗闇と静寂が支配していた。辺りを見回してみるとガキどももおばちゃんも見あたらない。
だが、俺の目の前にはよく見知った顔があった―――
最初のコメントを投稿しよう!