プロローグ

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春。 それは始まりの季節であり、出会いの季節でもある。 俺こと『六蜜 契』(むみつ けい)もそんな季節に少し期待していたりする。 去年……いや、今年か。ようやく中学も卒業し高校生になった。親元を離れる為に遠い高校に入学し、やっと自由にできる。最高じゃないか。 ……まぁ、一人だから出会いに期待していたりするわけだが。 少なくとも高校3年間は一人暮らしだし、せめて一人でもいいからバカできる友達がほしいな。……欲を出して彼女もほしい、なんて思ってみたりも。 ーーーーとまぁ、こんな感じにこの春という季節に少なからず期待していたわけだ。 しかし。 し・か・し・だ! もしこの期待を叶えてくれた神様がいるのならば、俺は疑心暗鬼に取り憑かれたKのごとく金属バットでお星様にしていただろう。 なぜなら神様は俺の期待を予想外なほどハズれた方向性で叶えてくれたから。 ーーーーこの春。俺にとても普通じゃない彼女様ができました。
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