第一章

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さて、説明はこれぐらいにしておいて、影人達に目を向けよう。 影人は今始業式で学園長の話を聞いている。 ……予定たが――― 「ふぁ〰あ……ねみぃ」 影人は全く話を聞いておらず、欠伸をだしていた。 「よし……寝るか。」 影人はこの始業式が始まって十数回目であろう試みをしようと目を閉じた。 しかし――― ギュゥゥゥゥ!! 「いって!!おいっ離せよ譽!!」 「ダメです!!影人さん寝ちゃダメです!!」 譽が影人の腕をつねり影人の安眠を妨げていた。 「影人さんが今まで留年しなかったのもあの人のおかげなんですよ?」 譽が学園長を指差す。 ちなみに学園長は女性である。 「いや、確かにそうだが……」 影人は返す言葉が無い。 それもその筈、魔法が使えないという前例がない影人を学園から追い出すこともせず、ちゃんと進学出来ているのは学園長の配慮のお陰だろう。まぁ、影人自身も相当な努力をしているのも事実だ。 「影人さんと同じクラスじゃなきゃいやです……」 「ん?何か言ったか?」 「なっなんでもないですっ!!」 「…?変なやつ。」
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