第一章

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影人は譽に手を引かれ教室まで走ってきた。 ガラガラガラ 「あ、おはよう譽ちゃん!」 「影おはよー」 「おはようございます!!」 「うーっす。」 譽が教室に入るとクラスメイトが挨拶してきた。 このクラスの人達は影人を馬鹿にしたりはしない。 影人はそれをとても有り難く思っていた。 「オーッス影!!今日も元気に――…お前いつから我らが譽様とそんな仲になってんだ?」 「え?……」 「ほぇ?……」 影人と譽は首をかしげ姿勢を下に落とす。 するとまだ結ばれている手が目に映った。 「「あっ!!…」」 二人は慌てて手を離して別々の方向を向く。二人とも顔が赤い。 「くそっ!!いつもいつもお前だけいい思いしやがって!!」 「ま、まて隼人!!こっこれはだな…譽が勝手に――」 「ふぇ…………嫌でしたか?」 (うぅ!!その涙目と上目遣いは反則だ!!) 「い、いやその別に嫌じゃないんだぞ?」 「てめー!!譽様を泣かせたなー!!今日は容赦しねーぞこの猿真似師!!」 カチン 「誰が猿真似師だこの野鳥の会!!お前は団扇の数がぞえとけ!!」 「んだとー!!」 「やんのかボケ!!」
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