名無しの白猫

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白い猫は歩いていた 静かな狭い道を一人で歩いていた 野良猫は帰る場所も無い、そして行く宛ても無い 今日を生きるために精一杯だ、ひょっとしたら明日には死んでいるかもしれない つまり生死の境目で日々生きてきた 昔は小さな人間の男の子に拾われた、名前も付けられた でも直ぐに捨てられた 猫の自分には何故捨てられたのか分からない その時理解した事は・・・ 『また一人』と云うこと また飢えて苦しむのなら、また寒さに凍えるのなら・・・ 『いっそ死んでしまいたい』 そんな白猫はある人間に出会った
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