名無しの白猫

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――数年後 白猫は死んだ 年老いて死んだのだった 女の子に拾われなかったら、今は飢えて冷たい地面で、誰にも知られずに死んでいただろう でも白猫は暖かい毛布の上で、ゆっくり年老いて死んだ そして誰かに見守られて死んだ 白猫の死に涙を流す者もいた 幸せに囲まれて一生を終えた 最後の最後に白猫は悟った   『生きてて良かった』 その後、女の子の家の庭に白猫のお墓が作られた 墓碑銘には『シロの墓』と書かれていた ――END
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