第一話

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静かな病室。 ベッドの上の少年が、退屈そうに空を眺めている。 「体調はどう?」 傍でりんごを剥いている母が尋ねる。 「別になんともないよ。」 「そう…。」 静かな病室で、時々交わされる会話。 少年はまた空を眺める。 不意に少年は、ハッとした顔をし、母親の方を見る。 「お母さん!!今何時?!」 「え?えっと…、八時よ。」 「テレビ見ないと!!」 少年はテレビを点ける。 「今日はねぇ、江頭が出るんだぁ!」 「そうなの。良かったわね。」 母親は、江頭が嫌いだった。 汚くて、下ネタばかりで…。息子はどうしてこんな男のファンなのだろうか。 「フフフ。お母さん!面白いねぇ♪」 「そうね。」 それでも息子の笑顔が見れる。それだけで良かった。
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