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「先生の機嫌の変わり方もなんとかしてほしいわ。付いていくん大変やねんから~。」
「そうやね。あれはちょっと大変やわ。」
ウチも綾も いや部員全員が
先生のテンションの上下に毎日振り回されてるんは事実。
生徒を射殺すかのような眼差しと声で怒る時もあれば、曲がうまくいくと180度態度が変わってキャピキャピと笑顔を向ける時もある。
難しいお人なのです。
我が部の顧問 兼 女王の小林ルミ子さんは。
細く白い腕と漆黒の美しい長髪を
これでもか!というぐらい振り乱して情熱的な指揮をされます。
その姿も確かに綺麗なんやけど。
合唱に対する完璧主義者っぷりはもう参りましたって感じで。
厳しくて誰も逆らえない女王やけど、部員はみんな先生を慕って信用してる。
素敵な先生やねんから。
「あ"ぁ!?ごめんウチもー帰らな!」
携帯の時計表示を見てウチは変な声を出してしまった。
それに綾はびくっと驚いて目を見開いた。
「何よ、どーしたん?」
ガサガサとカバンに荷物を乱暴に押し込むウチの背中に、綾がいぶかしげに聞いてくる。
「7時からバイトやねん!アカンッあと10分しかない!」
「バイトって今日も!?昨日もバイトやったやろ?ひな無理し「してないから大丈夫!」」
綾の言葉におもっきりかぶせて言葉を断った。
心配そうな顔してる綾にニコって笑顔を向けた。
大丈夫やでー って顔でも伝えてたった。
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