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「…いえ、別にそういうわけでは…」
あはははは、と笑う青年の言葉で我に返った朔は、言葉を紡ぐ。
青年が誰なのか気にならないと言えば嘘になるが、別に知らなくたって構わない。
朔は誰とも深く関わるつもりは無かったし、ましてやこんな正体不明の青年と関わりたいとは思ってもいなかった。
むしろ人と関わる事が怖く、今すぐこの場を離れたくて堪らないくらいだった。
しかし青年は、そんな朔にお構い無く喋り続け、遂には爆弾発言を口にした。
いや、青年にとってはただの自己紹介だったのだが…。
「初めまして。私の名は沖田総司といいます」
青年の言葉に朔は、頭を鈍器で殴られた様な衝撃を受けた。
そんな馬鹿な、と思うのに青年の言葉を肯定する声がある。
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