-月下の出逢い-

12/25
前へ
/1046ページ
次へ
帰れたとしても…誰にも必要とされない。   居場所なんて無かった。   居場所が無かったから、あの世界から弾かれたのではないか。 不要な…いらない者だから…   (だとしたら…)   帰っても帰らなくても同じ… 要らない者ならばいっそ消えてしまった方が…   誰からも必要とされないなら、消えてしまったって誰も困らないし、悲しまない。   (私を見てくれた人は…もういない…)   朔を一人の人として見てくれた人達は皆、居なくなった。   (…この幕末の世の空も…お母さん達のいる空に繋がっているのかしら…)   もしそうなら、ここで帰れずに死んでも、母達に会えるかもしれない。   それならば……
/1046ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8324人が本棚に入れています
本棚に追加