8324人が本棚に入れています
本棚に追加
「…帰らなきゃ…」
「…え?」
急に呟いた朔に沖田は朔を見つめた。
だが、朔には沖田の姿は見えていなかった。
瞳に映ってはいるが、その存在は朔には見えていなかった。ただ瞳に映っているだけ…
帰らなければ、という思いだけが朔を支配していた。
「…帰らなきゃ…」
「ちょっと待って下さい!」
空ろな顔で立ち上がった朔の腕を掴み、沖田は引き止めた。明らかに今の朔は普通の状態ではない。
「っ!!離して!」
腕を掴まれた朔は力の限り抵抗し、沖田の手を振りほどこうとする。
あまりの抵抗に沖田は顔をしかめたが、すぐに朔の異常な抵抗に思い当たった。
(あぁ…触られるのが嫌いなんでしたよね…でも…)
最初のコメントを投稿しよう!