-月下の出逢い-

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沖田は朔の時代の人間ではないから、朔の祖父の顔色は関係無いが、それでも厄介事を抱え込みたくはない、という心理はあるはずだ。   何の見返りも無く、そんな親切な申し出をするなんて考えられない。   第一、佐幕か倒幕かで揺れ動く世の中で、しかも新撰組に籍を置く者で、簡単に人を信じるような警戒心の無い人間は皆無に思われる。   今し方、朔が言った様に、見ず知らずの人間を見たら、長州の者かと疑うのが普通であろう。   それなのに無邪気に笑い、屯所へ招く。 一見無防備に見えるが、何か思惑があるのではないかと、朔は疑わずにはいられなかった。
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