-月下の出逢い-

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朔は予想外の言葉に、ただ茫然と沖田を見つめた。   沖田はというと、そんな朔を優しい表情で見つめ返した。   お互い言葉を発する事はなく、静寂が辺りを支配する。 時折吹く夜風が木々を揺らし、木々の葉がざわめく音が耳に響いた。   それと同時に夜風に桜が舞い、それは桜吹雪となり二人を包む。   月光に照らされながら舞い散る桜は、とても幻想的で美しい光景だった。     それが…沖田と朔の出会い。         朔の運命は、不思議な桜の樹に誘われる様にして、幕末へと飛ばされた瞬間から大きく変わりだしたのだが、再び朔の運命の輪は、廻り始めた。     夜桜の舞い散る夜。 月明りの下で、静かに、ゆっくりと……。
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