遅刻生徒・沢田 ①

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今日も、ぼくは遅刻していた。 寝坊だ。冬は、起きるのが辛い。   正門が閉じられる、そしてホームルームが始まる八時半。ぼくは、裏門に自転車で向かっていた。   そのとき、パンッパンッと音がした。 よくわかんないけど、多分クラッカーとかあんな感じのやつ。そして、女子たちの悲鳴。   ここにきこえるってことは。 裏門に一番近いぼくらの教室(二階にある)で、また不良でバカの植田が騒いでいるのだろう。 あいつ、センター試験で大失敗したらしいからな。   しかし、それ以外は異常に静かだ。 遅刻生徒を注意する見張りの体育教師もいない。  
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