――Ⅰ――

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「はあー疲れた」 桐山祐介〔きりやま ゆうすけ〕はパソコンをシャットダウンし、カーテンを開けながら、深いため息をつく。 やり始めたのが昨日の22時近く、そして、現在の時刻は8時。 10時間近くぶっ通しでゲームをやり続けていた。 眠気のピークは過ぎ、今は逆に頭が冴えている様な気がする。 とは言っても、布団に潜ればすぐにでも寝れるが。 だが、それは許さないとばかりに携帯の着信音が鳴る。 画面を見ると予想通り、高木圭吾〔たかぎ けいご〕の文字が浮かび上がっている。 祐介は、相手が言うであろう内容を既に分かっているが通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。 「祐介、寝るなよ。いつもの場所でミーティングだ」 やはり、予想通りの内容だ。 「ああ、分かってるよ。じゃ、また後で」 それだけ言って、祐介は通話を切る。
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