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勝頼「なぜそこまでして武田を助けてくださるのか?」
景勝「信長は武田征伐を終わらせ次第、次は愚かにも我ら上杉を狙おうとしている。現に越前,加賀に大兵を送っている。そこで上杉を四面楚歌にさせないためにも武田家には生き残ってもらいたい。」
謙信「武田と上杉が争うのは我と宿敵の世代だけでよい。武田には永久の好敵手として共闘する価値があるのだ!それに宿敵には借りがある。それを義で返すだけだ。」
勝頼「借り…ですか。」
謙信「いかにも。あれは四回目の大戦であるか…。
我らは千曲川の渡河に手間取っていた。あそこで追撃すれば大打撃を与えられたものを…、奴は追撃を中止させた。あの時のこと今も感謝している。」
勝頼「父上のことです、面倒くさいだけだったのかもしれませんよ。」
謙信「かもしれんな。」
二人はそれから信玄を話題にし暫く話し合った。
同席していた柿崎は、普段無口な主君が勝頼に親しげに話している姿を見て驚いていた。
話は本題に戻った。が、勝頼の腹はすでに決まっていた。
勝頼「謙信様今日はあなたに会えて本当に良かった。父は生前『儂が亡き跡は越後の謙信を頼れ』と申していました。今になってみれば父があなた様を信頼していた訳がわかるような気がします。」
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