繋がった日

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あえて今は名前を伏せようと思う いやそんな余裕は無い 何故なら僕はただ学校に行く為だけの道を歩いている学生の群れに紛れてしまい息をする事に一杯一杯だからだ チビ まぁ……伸びるとは思っていないのでどうでも良いことだ 統一された学生服の軍隊はこの道が一方通行とでも言うように僕の進行方向に立ち塞がった 僕の片手の紙には事前に調べた道を一本に絞ったシンプルな地図 15年ぶりに日本に帰ってきたばかりの自分は道に迷う確率が高かった為にルートを極限まで絞ったのが仇となる 余りにも高い壁となる人々を何故避けなかったのか 今更ながら後悔した 流れに逆らうがもう片手に握るキャリーバッグが持っていかれてしまわないように庇いながら動くと進まない かといって庇わないとあの群に蹴られ蹴られドンドン後退してしまう ルートを外れて迷子になるよりマシかと進むより迷子にならない程度にルートを変更した方が楽だと何分か前の自分にキャリーバッグで殴り付けてでも教えてやりたい 学生服で埋め尽くされた道に私服が1人でしかも逆走してる時点で皆避けてくれるなんて甘い考えは棄てろ 最近の日本学生はそんなことお構い無しに来るぞ 逃げろと
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