繋がった日

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「う『うっさいわ!!』…御免なさい…」 完全に出遅れた まさかの関西特有の独特のイントネーションで先手を打たれてしまった しかも謝ってしまった でも変だ 向こうから掛けてきたのに僕が怒られてる 『で、何用?』 こっちの台詞だ 言葉使いは男の人っぽいけど声の高さ的に女の人だろうか 「あの…特に用事がある訳では……」 凄く呆れたような雰囲気が電話越しに伝わってくる 『はぁ…随分腰が引けた話し方する奴だな。』 「ぃや貴女が強気過ぎるんだと思いますが?」 しまった 本音が漏れた 文句言ったらサッサと切るつもりだったのに 『………クハハっ言うねぇ。』 笑われてしまった でも何だろう 話してるだけだけなのに凄く暖かい 凄く久しぶりな気がする 『ぅん、気に入ったょお前の事。何回も電話掛けてきたのは不問にしとこう。』 何か聞き捨てならない言葉が有ったような… 「はぃ?…掛けて来てたのは貴女ですよ…ね?」 『ぁん?そっちがガシガシ掛けてきてたんだろ?』 ぇーと…どういうこと? 「何回切っても掛かってきたんですが…」 『みぃーとぅー。』 「『…………ぇ?』」 嫌な予感が的中した感じです 向こうは電話から離れたのだろう 今までは遠目に聴こえていたざわめきを取り手が離れて遮るものが無くなった為に大きく拾う 凄く騒がしい ……いいなぁ 顔も知らない電話の人が楽しそうに笑っている姿を想像したら何故かその人の周りに居られる人たちを羨ましく感じた 全然知らない人だし良く分からない人なのに とても不思議な印象だった 凄く…… 羨ましいよ
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