常闇の姫

3/3
前へ
/36ページ
次へ
彼女は 元々 イシュリンカと言う 国の姫だった。 だがある日、イシュリンカは 盗賊の手によって 滅ぼされた。 命辛々逃げてきた彼女。 ふと、泉に映る己を見ると… 絶句。 顔の右側に 大きな傷が出来ていた。 美しきその顔には なんとも醜い大きな傷。 彼女は泣いた。 そして、自ら 光を見ることを禁じた。 彼女は 暗い暗い地下に 小さな帝国を築いた。 俗世間では 生きていけなくなった 訳ありの民々が そろそろと生きていく場所。 彼女は 常闇の姫になった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加