プロローグ

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真っ青な空が広がる。 日本にいる限り、人間が何もしなくとも四つの季節は巡る。 梅雨、という半ばおまけな存在も仲間にいれてあげればその数は五つもある。 世界のうちで、こんなにも季節を多く体験できる所も珍しいだろう。 大抵それが有り難いことだとは気づかない。 ふとした瞬間には季節は次に移り変わり、気が付くとまた同じ季節がやってきているのだから。 人は歳を追う毎に一年が早く感じるようになるという。 人生を年齢で割った数を退官するようになるというのは、あながち間違いではないだろう。 小学生よりは中学生、中学生よりは高校生になってからのほうが時間は早く過ぎている。
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