プロローグ

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『ちーなつっ!』 背中に衝撃を受け千夏が振り返ると、そこにいたのは早川香織、千夏と同じバレー部に所属する友達だった。 一年生で出会った二人は、すぐに息統合し、喧嘩をすることもなく丸二年ほとんど同じ時を過ごしてきた。 すらりと長い手足を持ち、色白の香織とは対照的に、千夏は背も低く、色も黒い。 そんな香織に千夏はいつも憧れていたが、嫉妬心は不思議とまったくなかった。 それよりも、彼女の美しさに目が奪われることもしばしばだ。 なによりも千夏がそういう思いを抱かないのは、香織が千夏の存在を認めていてくれるというのも大きいのだ。
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