3.フレーム

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  「……で、その映研がこの子に何の用、です?」 「もちろんスカウトだよ~。一目でキミだ、と確信したんだ」 「は?」  意味がわからない。映研は芸能プロダクションみたいなことでもしているのだろうか。スカウトの勝手なイメージなんだがしかし、なわけないか。  さっきからこの“ジョージ(思いっ切り日本人だが)”は浮かれたような感じが消えない。イヴを見詰めながら、もの凄く楽しそうだ。 「ちょっ、スカウトってどういう……?」 「ふふふ~、スカウトといったら一つだよ~。役者に、ってことさ」 「「「役者ぁ!?」」」  優人の後ろでキョトンとしているイヴを除き、3人が同時に素頓狂な声を上げる。  映画研究同好会、それを考えればつまり役者ということは……そういうこと。しかし唐突な展開についていけていない。  ジョージはイヴを見てニカッと笑う。 「映画に出てみないかい?」  笑顔でそう言い、ジョージは両手で作った“枠<フレーム>”にイヴを収めた。  
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