1236人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
「……で、その映研がこの子に何の用、です?」
「もちろんスカウトだよ~。一目でキミだ、と確信したんだ」
「は?」
意味がわからない。映研は芸能プロダクションみたいなことでもしているのだろうか。スカウトの勝手なイメージなんだがしかし、なわけないか。
さっきからこの“ジョージ(思いっ切り日本人だが)”は浮かれたような感じが消えない。イヴを見詰めながら、もの凄く楽しそうだ。
「ちょっ、スカウトってどういう……?」
「ふふふ~、スカウトといったら一つだよ~。役者に、ってことさ」
「「「役者ぁ!?」」」
優人の後ろでキョトンとしているイヴを除き、3人が同時に素頓狂な声を上げる。
映画研究同好会、それを考えればつまり役者ということは……そういうこと。しかし唐突な展開についていけていない。
ジョージはイヴを見てニカッと笑う。
「映画に出てみないかい?」
笑顔でそう言い、ジョージは両手で作った“枠<フレーム>”にイヴを収めた。
最初のコメントを投稿しよう!