束の間の幸せ

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貴族の一般的な結婚は、婿が妻の元に通う通い婚だ。婚儀は、吉日の日を選んで男性が女性の部屋へ三日間続いて通い、その後「露顕(ところあらわし)の儀」を行うと婚儀が成立する。 一夜を共にした朝、「後朝(きぬぎぬ)の歌」を贈るならわしだそうだ。早ければ早い程誠意の現れとされている。 それにしても、貴族には窮屈なしきたりがあるんだなと思う。もっと下々のように自由な恋愛出来ないものかと思う。 それに、貴族は北の方の他にも妻を持つことが出来る。私は、愛する人はただひとりで良いと思うのだが。すでに、実方さまには北の方がおられるので、私はただの妻のひとりに過ぎない。 ちくりー。胸が傷んだ。
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