懐妊
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吉野が、気を利かせて部屋を出て行った。 すぐに実方さまは、私を抱きしめてくれた。 「喜んで下さいますか?」 「もちろんですよ。愛しい貴方とのお子ではありませんか。男子(おのこ)でしょうか、姫でしょうか。姫なら貴方に似てさぞや美しくー。いや…どちらでも良いです。元気に生まれて来るなら。」 実方さまは、またもや恥ずかしそうに言った。ああ、貴方がこんなにも喜んで下さり、私は幸せだ。
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