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実方さまの背中に回した手に力を込め、しばらくそのまま抱き合っていたが、ややあって、
「知らせを聞き、どうでも貴方のお顔を見たくて、仕事をほっぽり出して来たのですよ。そろそろ戻らなくてはいけません。仕事が立て込んでいまして、今日はもう来れないのです。お寂しいでしょうが、お許し下さい。大事な身体です。お愛いください。」
と言いながら、名残惜しそうに帰って行った。
愛しくて、自分のおなかを撫でてみた。実方さまは、どちらでも良いと言っていたが、私はほのかに姫が良いと考えていた。姫であれば同じおなご同士話も合うし、色々な衣装を見立ててあげるのも楽しそうだ。
部屋に入って来た吉野に聞いてみると、どうやら私と同じ気持ちのようだ。
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