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この歌はどうだろう。今までの技巧過ぎるものより、ずっと直球で人間的だ。
何だか心の中が騒めいて、胸のあたりの動機が激しくなる。
「姫さま、どう思われますか?…どうなさったのです?お胸のあたりを押さえなされて。」
「吉野。この胸のあたりが息苦しいと言うか、どきどきしているの。それに、心の中が騒めいているし。」
「それは、実方さまの事が気になっているもしくは恋をしていると言う事ですわ。」
吉野は、悪戯っぽく片目をつぶって言った。
そうなのだろうか。この感情が恋かどうか良くは判らないが、吉野の言う通りかもしれない。とにかく、私はこの方の妻となるのだ。
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