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それだけ
あっさりと
本当にそれだけ書いて
過路炉勝は
私のもとを去っていった
「───う…そ」
足の力が抜ける
目から
涙が溢れ出る
止まらない
拭っても拭っても
溢れて止まらない
私が死んだ
もとから女だった
しらなくても
この先、
生きて行けた
でも
勝が、
勝が死んでしまった
信じたくない
いやだ、絶対に嫌だ
勝がしぬなら
私も───
「さぁ、
運命の分岐点よ?」
振り返り
後ろの声の主を見る
昨日みた
生徒会の男が
そこに立っていた
「いまから勝に会いに行くか
この場で泣き崩れてるか
どちらかを選ぶのよ」
険しい顏で
私を見つめる
「どういういみ?」
「急げっての
そうしてる間に
勝の寿命は縮まってる
ようするに
まだ勝は生きてるわよ」
その言葉で
私は生き返った
「教えて!
いますぐにっ!」
「んー、わかってる」
指をパチンと
ならしたら
私の視界が
真っ白になった
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