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『美優、大丈夫か?』
「ん…ちょっと休んでいい?」
『あ、ああ…。』
結構歩いたからな。無理もない。
『わりぃな…。』
「ん?なにが?」
きょとんとした顔で、美優が聞き返す。
『いや、まぁ…勝手に連れて来て迷惑だったかなって…。』
「急にどうしたの、勝利?」
『ん?なにが?』
今度は俺が聞き返した。
「なんか今日の勝利、とても優しい…。」
『えっ?』
その瞬間俺は、全身が沸騰しそうなくらいに熱くなって、無性に頭を掻きたい気持ちになった。
「ぷっ!クスクス…。」
『はぁ?なんでいきなり笑うんだよ?』
突然笑い出す美優に俺は、気持ちを隠しながら言った。
「だって勝利…とっても可愛いんだもん。」
か、可愛い!?
「なんでそんなに赤くなっちゃってるの?」
あ、赤い!?
慌てて自分の手を眺めてみる。
………。
まじだ。
まじで赤い!
アニメみたいに赤い!
ていうか、アニメだからか!
『ばっ違っそんなんじゃねって!!』
慌てて否定するも空しく、美優はにやにや嬉しそうに笑っている。
そんな余計なことまでいちいち表現するなってんだ!
このクソゲーめ!!
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