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ガサガサ!
森を歩き続ける俺達の前に、突如立ちふさがる影…。
「な、なに…?」
美優が戸惑いながら俺に寄り添う。
影は茂みに隠れ、ガサガサ音をたてている。
こちらの隙を伺っているのだろうか?
俺は、剣を構えてゆっくりと茂みに近づいた。
「き、気を付けてね…勝利。」
背後から聞こえる美優の囁き声が、なぜか心強い。
次の瞬間、茂みの中から目が光った。
ズバッ!
赤いフラッシュとともに、目の前が一瞬くらっとなる。
「きゃ!勝利!」
美優が叫ぶ。
どうやら、敵に一撃くらったようだ。
その証拠に、体力ゲージが一定値減っている。
「勝利!大丈夫?」
美優が慌てて俺に駆け寄ってくる。
昔、俺がチャリから転んで怪我した時に泣きながら手当てしてくれたこいつを思い出す。
けど、あくまでゲームの世界。
そんなにマジで心配されると、俺も恥ずかしい…。
おっと!やべぇ。
俺を攻撃した魔物をなんとかしねーと。
…。
あれ?
どこに行った?
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