88人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
「もう声は届かないだろうけど僕は君を愛してる。
もしも願いが叶うなら死ぬまでずっと君と共に生きていたかった・・・・・」
墓所から大分離れた場所にある川原。
そこは雪姫と自分が再会した場所であり、数少ない思い出の場所でもある。
「此処で再会して一年以上経つんだね、雪姫」
半兵衛がそう言った、時だった。
『半兵衛さん・・・・・・』
声が、聞こえた。
何よりも誰よりも愛する彼女の声が。
半兵衛は驚いたように辺りを見渡した。
そして、川原の向こう岸に視線をやった。
「雪姫?」
最初のコメントを投稿しよう!