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「ごめん、浮気した」
我ながら潔く良く且つ、あっさりとした俺の台詞で2人の別れの話は幕を開けた。
「そう…」
付き合い初めの頃、お互いの恋愛論を語り合った時に“浮気は絶対許せないから”なんて話した彼女にしては、これまたあっさりとした返答で。
あんな事を言われていたから、主に外部に痛みを伴うような、一般的な“修羅場”を想像していた俺は少し、拍子抜けした。
けれど、怒鳴られなかったことに対して、手放しで喜べる程子供でもないし、そんな状況でも無い。
怒鳴りつけるでも無く、喚き散らすわけでも無く、只静かに遠くを見つめていた彼女に少しばかり違和感を感じていた。
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